入試世界史研究会

世界史を得点源にしましょう!!

共通テストの発展問題(論述)を作問してみました

 各大問の問題文や史料・資料を用いて、発展問題を作成しました。東京大学をはじめとする論述問題が出題される大学を志望している人はぜひ演習問題として活用してください。解答例はありませんが、公式TwitterのDMかメールにご質問をお寄せいただければ、すべての質問の中からいくつか取り上げて、当ブログ上で回答したいと思います。その際、お寄せいただきましたご質問を匿名で公開いたしますので、ご了承ください。

 

[第1問より]

(1)傍線部bについて。このように朝鮮は中国の政策やその根底にある思想に倣って、政策を展開したり外交を行ったりしてきた。このような考え方の名称を漢字五字で明らかにしつつ、その歴史的意義について、朝鮮と日本とヴェトナムの事例をそれぞれ考察しなさい。(各々200字以内)

 

(2)問題Bについて。イラン史における主な宗教の変遷と、それが政治と社会に与えた影響について、以下の語句をすべて用いて論述しなさい。(400字以内)

 

 レザー=ハーン 「アヴェスター」 十二イマーム派 ニハ-ヴァンドの戦い

 

(3)問9について。フランス人から見たインドや中国についての記述とそれに関する問題が一橋大学で2006年の第3問に出題されている。インターネットで「一橋大学 世界史 2006」と検索してその問題を発見し、解答しなさい。

 

 

[第2問より]

(1)問題Aについて。スペインが第二次世界大戦において中立の立場を取った理由について、簡潔に説明しなさい。(200字以内)

 

(2)問題Bについて。このように核兵器を非合法化しようとする取り組みは戦後何度も行われてきたが、実際にはいまだにいくつかの国が核兵器保有している。それは核兵器に一定の役割が認められているからである。その「一定の役割」について、具体的な事例を示しつつ、説明しなさい。(200字以内)

 

 

[第3問より]

(1)問題Aの資料における「先生」の最後の発言について。国境を越えた人の移動や様々な人との交流は、どのような形で近代日本の政治思想を育んできたのか。先生と生徒との会話をよく読んで、具体的に論じなさい。(300字以内)

 

(2)問題Bの資料における「先生」の最後の発言について。これは直前の「南部さん」の質問に答えようとしているのだが、「南部さん」が「先生」のこの回答では腑に落ちない状況を想定する。あなたならどのような補足説明をすることで「南部さん」の理解を助けるか。具体例を用いて説明しなさい。(200字以内)

 

 

[第4問より]

 問題文が言うように、「歴史評価の多様性」はその他にも様々なところで論点になってきた。ある見方について一定の説得力がある論拠が存在することがほとんどで、問題が複雑であるとき一定の結論を導出することは難しい。しかし問題AやBからもわかるように、それぞれの主張には、拠り所となる歴史的な背景や、その説を生み出す政治的・社会的事情がある場合がほとんどである。例えば日本の現在の政治体制が共和制であるのか、あるいは立憲君主制であるのか、という点については様々な学説が打ち出されてきたが、それぞれの主張には一定の背景がある。

 以上の点を踏まえた上で、日本の政治体制が共和制であるのか立憲君主制であるのかについて、それぞれの政治体制の世界史上の背景、20世紀以降に天皇が果たしてきた役割やその憲法上の立場に言及しつつ、あなたの考えを示しなさい。解答は600字以内で記し、必ず次の7個の語句を一度は用いて、その語句に下線を付しなさい。

 

 大統領  「君臨すれども統治せず」  象徴

 プロイセン  世襲  1848年  ロック

 

 

[第5問より]

(1)問題Aについて。カールの戴冠の背景と意義を、イスラーム勢力が7世紀に台頭したことを念頭に置きつつ、論じなさい。(400字以内)

 

(2)問題Bについて。中国における国内の商業の歴史について、交易ルートや対外貿易を中心に説明しなさい。(400字以内)