入試世界史研究会

世界史を得点源にしましょう!!

パッと簡潔にoverview!【東大世界史 2023】

2023年の東大世界史の講評を行いましょう。著作権の関係から問題文全体の掲載はやめておきます。

 

第1問

今年も近年の傾向を受け継ぎ、リード文の構成に素直になって問題をとくべきです。

リード文の分解をしてみましょう。


・近代史:独立国(=君主政や共和政)と植民地から構成される

・状態は変動的なものだった
-植民地が独立国になる
-分裂や解体による新たな独立国の誕生
-革命による政体の変化
憲法の制定、議会の権限、参政権の範囲などの課題に対する対応

 

この枠組みを、問題の要求にはめこんでいくことで、解答の方針が見えてくるはずです。


問題の要求は、ヨーロッパ、南北アメリカ、東アジアにおいて、①諸国で政治のしくみがどのように変わったか。②どのような政体の独立国が誕生したか。

時期は、1770年前後~1920年前後に限定されています。

 

①、②のテーマを具体的にどのような点について記述すればよいのか。その基準を示しているのがリード文ということになっています。

以下の4点につき記述していきましょう。

-植民地が独立国になる
-分裂や解体による新たな独立国の誕生
-革命による政体の変化
憲法の制定、議会の権限、参政権の範囲などの課題に対する対応

 

おおまかなストーリーとしては、3部構成で書きます。おおまかに以下のような内容を整理しておきます。これを良い解答にするにはさらに工夫を必要としますが、それは本会の添削を受けてください。

 

1,ヨーロッパ列強

フランス革命

・1848年革命(二月革命)とナショナリズムの高揚

ヴェルサイユ体制

・ヨーロッパ(例:イギリス)における選挙権の拡大

 

2,南北アメリカ

・合衆国の独立と、合衆国憲法の制定

・合衆国における参政権の拡大(女性、黒人)

ラテンアメリカの独立

メキシコ革命

 

3,東アジア

・中国の政治体制の変化(清→中華民国

・中国と属国(特に朝鮮・ベトナム)の関係の変化

・日本の明治維新

 

こう見ていくと、昨年の講評にも書きましたが、東大世界史は一橋世界史にどんどん近似しています。ヨーロッパ、南北アメリカのパートは、一橋の第2問の頻出テーマですし、東アジアパートは一橋第3問の伝統的な出題範囲です。

nyushisekaishi.hatenablog.com

 

第2問

第1問が近現代史だったからか、第2問は前近代の問題が非常に多かったですね。過去問(2007年第1問)の復習をしっかりとやっているかが問われる問題であり、出題の内容的にも伝統的な東大らしい出題だったように思います。

過去問を勉強しておくことは東大世界史を攻略するための基本なので、以下の講座などを活用しながら、過去問の勉強を怠らないようにしてください。

 

nyushisekaishi.hatenablog.com

 

第3問

ついにコロナ禍ならではの大問を作ってきました。さすがにコロナ禍で一度も出さないことはないだろうと思われていましたので、対策をしている人も多かったのではないでしょうか。日本史に関係のある出題も見られ、「歴史総合」を意識した作問の傾向も続いています。また、民主政の危機がここ1,2年の世界全体のテーマですが、その源流となったアテネの民主政についても出題されましたね。

今年は第3問がかなり簡単だったので、ここで差をつけられてはいけません。逆にすべて取れたら、何問かミスする他の受験生に差をつけることができたのではないでしょうか?

 

宣伝

来年、東大を受験する新高3生、および浪人予定のみなさんへ。

世界史は過去問や演習問題を解いて添削を受けることで、大きく力を伸ばすことができます。直前期のみの対策では十分な力をつけることができません。1年前から着々と準備しておく必要があるのです。

本会は、東大世界史に精通した講師による、個別指導を行っています。添削指導をメインとするので、通塾の時間的制約もありません。ぜひお試しください。

講座の内容を確認したい方は、こちらから!

 

その他、有力な情報を仕入れたい方は、以下のページから公式LINEを追加してみて下さい!

 

nyushisekaishi.hatenablog.com