入試世界史研究会

世界史を得点源にしましょう!!

パッと簡潔にoverview!【名大世界史 2023】

2023年名古屋大学の世界史の入試について講評を行いましょう。著作権の関係から問題文全体の掲載はやめておきます。

 

 

第1問

名古屋大学が何度もテーマにしてきた華夷思想とその発露に関する問題でした。過去問をしっかりと勉強した人には解きやすく、世界史の本質を問うような問題もあり、大学入試としては非常に良問だったと言えるでしょう。本会が講座や参考書で何度も示してきたように、名大は中国史の本質とは何かをいつも念頭においています。この特徴を最大限に発揮してきました。最後の問題は「自分なりに考察」することを求められましたが、思考力を問う問題とは本来このような問題のことを指すはずです。その意味でも入試改革にあらがうわけでもなく、独自性も発揮してきたという点で、昨年の汚名を返上する素晴らしい出題だったと言えます。

 

第2問

名大の特徴である5つの史料をベースとした出題でした。例年、第3問での出題が多かった形式ですが、今回は第2問での出題となりました。1つ1つの小問は簡単で、ここで差をつけられると厳しい戦いを強いられるだろうと思われます。

アフリカをテーマにする出題は一橋でも見られ、これまであまり出題してこなかった大学でも今後アフリカ史についてはケアしておく必要があるかもしれません。

 

第3問

現代の日中関係から、近現代の中国史を出題してきました。かなり現代によった出題で、名古屋大学としてはやや珍しい形での出題となりましたが、作問自体は丁寧で、ある程度の知識を持っていれば小問ではかなりの高得点を狙えたはずです。全体として、論述が減り、この問題でも書かせる問題は1問だけでしたが、その1問は史料を広く読むことを求めるやや難しい問題でした。

ただし、これも第1問と同様に中国史をしっかりと勉強している人であればたやすい大問だったでしょう。来年も中国史ばかりを出してくるかはわかりませんが、少なくとももっとも重点的にやっておくべき分野であることには間違いなさそうです。

 

第4問

ヴェルサイユ体制における各国の協調や軍縮といった側面を具体的に記述させるシンプルな出題となりました。正直、もう少し捻った出題を予想していましたが、ウクライナ戦争に対して反戦の気持ちを表しているようにも見える出題です。この問題に関しては、2001年の筑波大学の問題が極めて類題です。

ヴェルサイユ体制について勉強することは20世紀前半の世界史を勉強することのキホンですので、来年の名大以外の受験生はよく勉強しておくように(さすがに名大では出さないでしょう)。

 

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来年、名大を受験する新高3生、および浪人予定のみなさんへ。

世界史は過去問や演習問題を解いて添削を受けることで、大きく力を伸ばすことができます。直前期のみの対策では十分な力をつけることができません。1年前から着々と準備しておく必要があるのです。

本会は、名大世界史に精通した講師による、個別指導を行っています。今年度も世界史初学者をはじめ、名大の個人指導を受講された生徒様がいらっしゃいました。添削指導をメインとするので、通塾の時間的制約もありません。ぜひお試しください。

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