入試世界史研究会

世界史を得点源にしましょう!!

パッと簡潔にoverview!【京大世界史 2024】

皆さん、こんにちは!

 

今回は2024年の京大世界史の講評をやっていきましょう。著作権の関係から問題文全体の掲載はやめておきます。

 

<目次>

 

第1問

問題で指定された時代、テーマ設定などから一橋大学の2020年の問題との共通性を感じることができました。部分的ではありますが、「世界史の中の日本史」として秀吉の朝鮮出兵を取り上げている問題であり、近年の入試世界史の風潮に影響されていると言えます。

また、今年の一橋大学の第3問でもフォーカスされたように、近年の東アジア史研究においては中国そのものよりも、朝鮮や日本などの近隣国の存在が注目されています。この問題もそのような学問的な影響を受けているようにも見えた問題でした。

 

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今回の京大の問題では、「小中華思想」という言葉が絶対に使いたいキーワードになります。もしこの言葉についてよく知らないという受験生がいたら、東大・京大・一橋でここ5年のうちに出されているテーマなので、しっかりと調べておいてください。

 

第2問

A

がっつり中国史を出してきました。近年の傾向から、東南アジアの出題をケアしていた受験生もいたかもしませんが、やはり京大世界史に挑むうえでは中国史は絶対にできないといけません。また、昨年は現代のニュースで取り扱うような用語や、地理で出題されそうな用語も出題されました。しかし今年は、古代や中世からの出題が多く見られました。来年以降、再び現代史が頻出になる可能性も考えられます。現代史になればなるほど、世界史としての出題から一般教養的な出題に変わります。受験生もニュースなどに多少の興味を持つようにしてください。

 

B

イスラーム世界について出題されました。小論述が一切出題されず、短答問題ばかり出題されたので、絶対的な知識量が試されたかと思います。京大は論述問題も含めて、ややマニアックな知識を問うてくることが多いので、細かい部分まで勉強しておくことが求められます。

 

第3問

「京大の第3問の質が低下している。」そう思ったのは本会だけでしょうか。今年は一橋の頻出分野から、高校の定期試験の方がまだ良い問題を出す先生がいそうな問題を出してきました。誤解のないように言っておきますが、決して高校の世界史教師を卑下したいのではなく、京大の教授陣が高校の教師の作る問題と同等あるいはそれ以下の問題を作ったことを批判しています。

 

難関大学が飾り気のないシンプルな問題文で出題するときは、そのシンプルさ故に考えることが多くて、また知識もある程度は難しくて、良い解答をつくるのはかなり難しいという問題を出すことがあります。しかし今回の問題文はそういうわけでもなく、点差が出にくいような問題でした。京大の受験生レベルであれば、よほど世界史を捨てている人以外はそれなりに良い解答をつくってきそうな易問です。

 

京大の教授には、もちろん普段の業務に加えて入試問題を作成して採点することが大変であることは理解しますが、もう少し受験生に向き合って良問を作ってほしいと思います。

 

第4問

A

東ヨーロッパの歴史について、ざっくりと問うてきました。教科書レベルの問題が多く、ミスをして差をつけられないことが大事になりそうなセットでした。

 

B

西ヨーロッパをメインとして、これも教科書レベルの出題が続きました。(18)のような出題の仕方が増えると、本会としても分析のやりがいがありますね。

(14)にして、ようやく今回はじめての小論述が出てきました。今回は小論述がまったくないのかと思って解き進めてきた受験生もいたかもしませんが、この1問だけを出すことに京大にはどのようなこだわりがあったのでしょうか。昨年の小論述の出来がよほどひどかったのか、短答問題で単なる知識量を問うてきた京大に聞いてみたいことは色々あります。

 

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