皆さん、こんにちは!
今回は2024年の名古屋大学の世界史の講評をやっていきましょう。著作権の関係から問題文全体の掲載はやめておきます。
<目次>
第1問
中央アジアを中心に、アジア全体からインド方面に目を向けた名大らしい出題でした。基本的に、第4問以外の論述には字数指定をしないことが多かった名大ですが、今回は字数を指定する出題も見られました。昨年と同様に、最後の問題では「(自分なりの)考え」を書くことが要求されました。
以下は、この問題と深く関連している本会のオリジナル問題です。興味のある人は、ぜひ解いてみてください。
インドという土地は古代インダス文明にはじまり、様々な民族が王朝を建設し歴史を形成してきた。しかし、その多様性ゆえに支配する側には常に困難が付きまとってきた。
歴代のインドの支配者はそうした困難に対処してきたが、とりわけ 16 世紀から 20 世紀前半にかけては帝国による支配の中で諸問題が発生していた。その諸問題と解決策について 400 字以内で説明しなさい。
第2問
ハプスブルク家に焦点を当てた問題でした。少し答えにくい問題や、正解を1つに定めにくい問題などが見られたので、受験生は苦戦したかもしません。
あまりコメントすることがないので、再び関連するオリジナル問題をお見せします。
第3問
すっかり定番化した5つの史料を元に問うてくるスタイル。昨年は第2問へと引っ越しましたが、すぐに個の第3問に戻りましたね。テーマは「アメリカの歴史」。2008年にも名大は5つの史料問題でアメリカをテーマとして出題しましたが、その時は19世紀に限定されていました。今回はアメリカについて幅広く問うてくる問題となりました。
本会では、アメリカ史を学習する際に必ずおすすめしている本があります。別に本会の関係者が執筆した本ではないのですが、アメリカ史の概要と基本的な理念をコンパクトにまとめた良書なので、ぜひ読んでみてください。
第4問
昨年のヴェルサイユ体制とは打って変わって、前近代の中国の官僚制と文化史の関連を問うてきました。文化史を軽率に学びがちな受験生への警告として受け取ることもできるでしょう。
文化史は、文化史だけで学ぶべきではありません。文化は政治や社会の影響を強く受けるのです。今年の九州大学が好例です。以下のような問題文でした。
ヨーロッパにおける絵画は,15世紀から20世紀にかけて,どのように展開したのか。各時期について,代表的な様式とその特徴,代表的な画家,政治もしくは社会的背景に言及しつつ,550字以内で説明しなさい。
今年、名大と九大が出した警告を真摯に受け止め、受験生は政治や社会と絡めて文化史を学ぶという営みを怠らないようにしてください。
参考書と講座のご紹介
この解説の中でも時折説明したように、論述を書き上げるには知識だけでなく、技術や経験が必要となります。それを身に付けられる参考書や講座は、世の中にそれほど多くありません。
本会は、特に地方に住んでいて、大手予備校の授業を受けることのできない受験生をサポートしたいと考えて、書籍やオンライン講座を用意しています。もちろん都会の受験生も、本会のサービスを活用したい方は大歓迎です。1人1人に向き合って丁寧にサポートします。その分受け入れ人数はかなり限られているので、ご希望の方はお早めに!
・書籍
講座を受けるほどではないけれど、本会の論述ノウハウや、効率的な勉強法を知りたいという方には、参考書のご利用をおすすめします。こちらから各書籍の詳細をご覧ください。
・通期講座(詳細はリンクから別ページでご覧ください!)
1「個人特訓」
2「入試世界史演説ゼミナール」