入試世界史研究会

世界史を得点源にしましょう!!

パッと簡潔にoverview!【一橋世界史 2022】

2022年の一橋大学の世界史の講評を行いましょう。著作権の関係から問題文全体の掲載はやめておきます。

 

第1問

 テーマは中世の大学でした。大学の法学部で教科書として用いられる「概説 西洋法制史」を読んだことがあれば、この問題を解くことができたと思いますが、そうでもない限りこの問題は極めて難問でした。出題者はおそらく資料の執筆者の弟子で現在一橋大学の教授であるY・J先生でしょう。巷では、この問題はそれほど難しくないという評価をされているようですが、「概説 西洋法制史」の第9章をすべて読んだ上でこの問題に解答すると、いかにこの問題が難しいかがわかります。ポイントはボローニャ大学において発展した「法学」と、この時代の学生がまるで「巡礼者」のように「騎士」から保護されたことです。

 

第2問

 コロナ禍ならではの導入でしたが、結局聞かれたことはニューディール政策でした。ただし、コロナ禍=不況という見方を持っておけば、ニューディール政策が出題されることは多いに予想できていたはずです。アメリカ合衆国の根幹的な精神である「自由」侵害するという批判を書けたがミソです。アメリカの「自由」については、「大陸国アメリカの展開」という書籍を読んでみてください。薄いのですぐに読みきれると思います。一橋受験生は必読です。

 

第3問

 典型的な第3問でした。ただし問1に関しては、今まで出題されてこなかった範囲です。ただ、去年中国の現代史が出ましたので、それを踏まえて韓国の現代史を勉強していたかが、この問題の出来を左右したのではないでしょうか?問2は、2020年のⅢ(2)の「背景」の類題で、問3は1998年のⅢ(2)と99%同じ問題です。この2問を落としてしまうと今年の世界史で及第点を取ることは難しかったでしょう。