入試世界史研究会

世界史を得点源にしましょう!!

2024年 共通テスト【世界史B】の講評、あるいは考察

みなさん、こんにちは!そして受験生は大変お疲れ様です。

 

先ほど実施されました共通テストの世界史Bについて、簡単な講評を行います。また問題から読み取れることを世界史的な観点で考察していきます。東大や一橋などの難関国公立を受験する人は、必ず最後まで目を通してください。

 

各大問の太文字は、その大問の復習ポイントです。第一志望の二次試験の受験日までによく復習しておいてください。共通テストや併願校で解いた問題について、ある程度復習しておくと、第一志望の本番でも役立つことがあります。

 

全体の講評

問題のレベルはとても易化しました。去年の共通テストが分量も多くレベルも難化したとの評価を受けていたので、バランスを取るためにレベルを下げたのでしょう。大問の数が5から4になりましたので、それも受験生の心理的な負担を軽減することになったのではないでしょうか。

本会で学んだ皆さんが他の受験生と差をつけるためにも世界史のレベルは落としてほしくなかったというのが本音ですが、、

毎年のことですが、共通テストは解き方のツボさえ押さえておけば、今回も十分高得点が目指せます。大量の資料に付き合わないことがポイントです。

 

それでは、問題ごとの講評に入っていきましょう!

第1問

 Aでは中国の皇室一族による分権の長短、Bでは中世イングランドの政治、Cでは現代イギリスの福祉制度について出題されました。いろいろな資料を見せられて、あたかもそれを読まないと解けない問題であるかのように見えます。しかし、史料が多い時はまずは問題文から読むようにしましょう。

 A、Bは単なる資料の読みとりと極めて簡単な知識の確認でしたので特に解説するようなことはないかと思います。Cは「現代」という言葉の定義を考える上で大切な問題となります。本会の執筆した難関大学用の論述参考書である『分かる!できる!世界史の論述が書けるようになる本 ~講義編~』では、現代という言葉を以下のように記述しています。

 現代の起点は様々な点に見て取れます。本書では第二次世界大戦後に現代が始まったということにします。しかし他の学説もご紹介します。例えば、ヨーロッパ史の文脈において大衆社会の成立を現代の起点とみなすならば第 1次大戦直後から現代が始まったと捉えることができますし、また福祉国家の形成を現代とみなすならば 1880 年代のビスマルクの労働者保険導入も現代の起点となります。また同じく 1880/90 年代は、現代史上、現代に続く高度工業化(=自然科学の応用にもとづく電機・化学・医薬品産業の発展)の起点とされます。

 このCについて、近代史と分析する予備校は多いかもしれませんが、我々はこれを「現代の幕開け」についての問題であると考えています。

 

第2問

 Aではアレクサンドロス大王の地域や時代ごとの評価、Bでは大陸国アメリカの展開、Cでは朝鮮戦争と「共産主義」について出題されました。

 この大問は良問が多かったように思います。難易度も程よく、資料の読み込みと世界史の知識を組み合わせて解く問題も出題されていました。特にアレクサンドロス大王の評価が地域や時代によって異なるものであったことは、高校の世界史の授業では教えてもらえないことですが、資料と知識があれば良く分かる事実です。またCは、現代史を勉強しないと痛い目に合うことが教訓になるセットでした。現代史は共通テストでもしっかりと出題されます。嫌っていないで早めから対策するようにしておきましょう。特に今これを読んでいるあなたが高2以下であれば、これを教訓として現代史の勉強を頑張ってください。

 またイデオロギーとか自分たちの文明とかを押し付けあってきた歴史もこの3つの問題からは見て取ることができます。世界史はイデオロギー文明の衝突によって展開されてきたということを示しています。ミクロの視点で年号や出来事を暗記するのも受験勉強では仕方のないことかもしれませんが、ぜひマクロの視座に立ってイデオロギーの対立構造を考えてみる、支配-従属関係を整理してみるという営みを楽しんでください。そのような思考法が大人になってからも役に立つはずです。

 

第3問

 Aではインドの交通、Bではアメリカ的帝国主義の展開、Cでは19世紀ロシアの拡大について出題されました。

 中世はあまり出ないのですが、かなり古代と近代以降の出題割合が高くなっています。まさか大問で2問続けて近代アメリカ史をテーマにしてくるとは思っていませんでしたが、得意な人が多い分野でもあるのでここの出来はよくないと困ります。

 Cのロシアの問題は、テーマが「鉄道」ということでウクライナ戦争のことを意識していると思わざるを得ない出題でした。大問のリード文にもあるように、交通は社会経済史を考える上で非常に重要なジャンルです。それとともに「通信」も近代史の重要トピックです。二次試験では「通信」の方が出題される可能性もあるので、不安な人はイギリスなどの欧米列強が近代以降において発展させてきた「通信」の歴史も復習しておくと良いでしょう。

 

第4問

 Aではアジア諸地域の文化と宗教、Bではコロンブスと近世ヨーロッパ、Cでは前近代の中国史について出題されました。

 第2問に続いて、こちらも良問のセットとなりました。資料の読み込みに時間をかけすぎるのもよくないですが、全く読まないで解くのは難しいというレベルにちょっとずつ近づきつつあるのかもしれません。この大問はそれを予感させる出題となっています。ただしそれにしては求めている知識レベルが高くありません。Cは中国史について問われていますが、これも知識レベルが低いように感じられます。グラフ問題が出ましたが、これは丁寧に対応してあげればよいでしょう。

最後に

 これまでの共通テストの中でも、問題のレベル自体は易化していましたが、出題形式として資料だけでも知識だけでも解けない問題を増やそうという意識づけは見られました。今後、受験生は二次試験に向けてラストスパートに突入していくと思いますが、自信をもって頑張ってください!!

 なお、毎年恒例の『共通テストを論述問題に発展させてみた』は今週中に配信します! X(旧Twitter)で続報を出しますので、フォローしてお待ちください!

【読書案内】「大陸国家アメリカの展開」

大陸国家アメリカの展開 野村達朗/著

価格:801円
(2023/11/17 13:42時点)

 

大陸国家アメリカの展開 (世界史リブレット) [ 野村達朗 ]

価格:801円
(2023/11/17 13:45時点)
感想(0件)

こんにちは、入試世界史研究会です。

今回は久しぶりに読書案内をやっていきましょう。我々が様々な問題集で参考図書の1冊としても紹介をしている野村達朗先生の「大陸国家アメリカの展開」 という書籍をご紹介します。

 

あるサイトの紹介には、

近代世界を知るにはアメリカ合衆国の歴史を知らねばならない。幕末以来、日本に最大の衝撃を与えてきたアメリカ。現代文明とは何かという問題をつきつける国アメリカ。そのアメリカは十九世紀の展開のなかでつくられた。君主のいない民主的共和国の樹立、黒人奴隷制の繁栄、独立自営農民による西部開拓、先住民からの掠奪と文化破壊、世界最大の工業国家への発展、移民の低賃金労働力への依存。矛盾に満ちた資本主義国家アメリカの生成発展を「普通の人々」の生活に思いを寄せながら描く。

とあります。ここにもあるように、まさにアメリカの「人々」の中に潜む「アメリカ主義」のようなものの源流が、どのような形で現れたのかを大変わかりやすく表現しています。特に、前半部分はアメリカの本質を射抜くような議論をしており、高校生が受験勉強で読むだけでなく、大学生や社会人の方が教養を手にするために読むのにも非常に向いている1冊になっています。

 

大陸国家アメリカの展開 (世界史リブレット) [ 野村達朗 ]

 

我々が高校生向けの参考書の中でもこの本を紹介している理由は大きく2つあります。

1つは、近代になって突然登場する「アメリカ合衆国」が、フランスやドイツなどの長い歴史を持つ国とは異なり、「概念的な国家」であるということを理解させてくれる本だからです。このことをたいして理解せずに、アメリカをドイツなどと並列の1国家として扱っていると、なかなか難しい。アメリカが近代史における重要なアクターであることを、高校生が大学教授の生の文章から学べることは、受験勉強においてもおおいに役立つでしょう。

もう1つは、日本が、戦後、アメリカの大きな影響下に置かれてきたことをアメリカの視点にたって考えてみることも必要であろうという理由です。日本からみたアメリカは様々な角度で勉強するし、考えもするでしょうが、アメリカからみて日本とはどういう国なのか。その思想的な源流を知るには、この本を読むのが良いかもしれません。対日本について沢山記述されているわけではありません。しかし、様々な示唆に富んだ文章を読み、アメリカについて多角的に理解することは、現代日本を学ぶ基礎にもなるのです。

 

さあ、初期のアメリカへ「時空を超えた旅行」にいってみてはどうでしょうか?こちらの書籍は楽天ブックス からお買い求めください。

大陸国家アメリカの展開 野村達朗/著

価格:801円
(2023/11/17 13:42時点)

【冬期講習』一橋世界史のご紹介

一橋大学(前期日程) (2024年版大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]

価格:2420円
(2023/11/16 12:06時点)

皆さん、こんにちは!

今月から1月にかけて、「冬期講習 一橋世界史」をオンラインで開催しています。

 

今回の講習では、一橋世界史のスペシャリストである講師が一橋世界史の傾向と対策について解説します。一般的な参考書や赤本ではわからない、これまでにない視点から、一橋世界史を深く理解しましょう。また、講師は一橋大学出身なので、キャンパスライフについても質問することができます。座談会としてもご利用ください。

 

本編では、一橋世界史の基本的な知識から始め、重要な論点、論述の書き方についても掘り下げていきます。セミナー後には、世界史への理解がより深まり、一橋大学の入試に対する自信が高まるはずです!オンラインで開催されますので、忙しい勉強時間の合間に参加することができます。

 

無料のサイトやYouTube動画が出回る中で参加費をいただくということは、それだけ特別な付加価値をつけてお話しするということです!

興味をお持ちの方は、ぜひこちらからお申し込みください!

皆さまのご参加をお待ちしております。

 

 

一橋大の世界史20カ年[第5版] (難関校過去問シリーズ) [ 鳴海 久紀 ]

価格:2530円
(2023/11/16 12:14時点)

 

 

2023年 東大オープンの講評

「学ぶ力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大独学 [ 西岡 壱誠 ]

価格:1650円
(2023/11/12 23:55時点)
感想(0件)

東大入試詳解25年 世界史<第2版>−2019〜1995 駿台予備学校

価格:1610円
(2023/11/12 23:57時点)
感想(0件)

皆さんお久しぶりです。ブログの更新は大変久々になりましたね。

今回は、K塾の東大模試について講評を行います。本会の講評は、講評と言っても、内容の解説をするわけではありません。我々は知識については直前まで教科書でも史料集でも読めばいいと考えます。今回ならK塾の解説を読めばいいだけです。もっと本質的な解き方、今後にどう活かすのかを教えていきます。入試問題についての「パッとreviwシリーズ」をお読み頂けるとよくわかるでしょう。

ということで、さっそく第1問から第3問に入っていきます。

 

第1問

東大世界史の第1問は、600字の大論述です。リード文のことはいったん置いておいて、解答作成について要求する第2段落の問題文を「読解」をしていきます。『分かる!できる! 世界史の論述が書けるようになる本 ~講義編~』入試世界史研究会で説明しましたが、主題と副題の設定が重要です。読解とは、この主題と副題の設定のことを指します。

 

本問における主題は「砂糖と茶の生産や貿易に関するイギリスの動向」について「経済的および社会的側面に焦点をあてて」書くことです。後半は副題に回しても良いかもしれません。

副題は「18世紀~19世紀にかけて」「イギリスとカリブ海地域・中国・南アジアを対象に」書くことが求められています。

さらに補足として「生産地と消費地の社会変化」「生産に従事する労働力」も念頭におく必要があります。もちろんこの場合の生産・消費は「砂糖」「茶」についてのみ想定することになります。

 

さきに言葉の定義をしておきます。『分かる!できる! 世界史の論述が書けるようになる本 ~講義編~』入試世界史研究会から引用します。

経済については、

“生産”と“流通”が軸で、近代以降はそこに“金融”が入ってきます。経済につい
て問われたらとにかくこの三つを想起してください。

社会については、

「社会」という言葉は、もともと人間が 2 人以上いるところで生まれる、人と人との
結びつきをいいます。入試世界史では前近代では“都市と農村”と“身分”を考察しま
す。ただし、近代以降は、伝統的な身分制が消滅しますので、今度は“貧富の格差”が
焦点になります。

 

ここまで分解すれば、問題文の読解はほぼ完了です。最後にもう少しかみ砕いて、どのようなissueがあるのかを考え、知識をつかって答えていく。それを再編成して600字にする。これができれば東大世界史も解けるのです。

 

ゆえに、試験会場でするべきことは以下の通りです。

1.「砂糖と茶の生産や貿易に関するイギリス(と関連国)の(国内外における)動向」について「生産・流通」および「身分の格差→貧富の格差」に焦点をあてる。なお、問題文の欠落を自力で補うことはこれまでの東大の過去問でも何度も必要となっている技術なので、今回もできてほしかったです。

2.1の問題を考えるためにフレームワークを整える。年代は「1701~1900」、舞台は「イギリス本土、カリブ海地域、中国、南アジア」に絞って考え、他は捨象する。

3.補足情報をまとめる。「砂糖と茶の生産地と消費地はどこか?→それぞれの”身分の格差→貧富の格差”あるいは”都市・農村の構造変化”はどのようなもの?」を考える。「生産に従事する労働力」は身分、つまりは”社会”の話と強く関係しそうだと仮説をたてる。

 

考えるうえでは、「表」をつくることも大切です。簡単な図表をメモすることで一度バラバラにしたものを600字に再編成しやすくなります。以上の技術はすべて『分かる!できる! 世界史の論述が書けるようになる本 ~講義編~』入試世界史研究会で学ぶことができます。皆さんの世界史勉強に供するので、ぜひご一読ください。

 

このように解くと、K塾の指定語句や模範解答が、K塾自身が作成した模試を正しく解く上で、「怪しいもの」であることが見えてくるかもしれません。それでもかまいません。そういう「気づき」を得ることが、模試を受ける価値でもあるのです。

 

第2問

問(1)

中国の統一についての問題です。このトピックで重要なのは(b)でも出題されている北方民族と漢人の関係についてです。その王朝がどの民族による支配なのかを考えると、支配体制の特徴が見て取れます。支配構造について理解を深めることは極めて重要です。

練習として、以下の問題を解くようにしましょう。

東京大学 2002年第2問

 次に述べるX、Y、Zは、19世紀以降まで数世紀にわたり存続したアジアの大王朝である。これらの王朝には、独自性と共通性がみられたが、それらに関し、以下の(1)~(12)の設問をよく読み、各設問に答えよ。解答は、解答欄(ロ)を用い、設問ごとに行を改め、冒頭に(1)~(12)の番号を付して記せ。

f:id:kufuhigashi2:20130616082235g:plain

(A)各王朝は、それぞれ本拠地を移動させながら、形成され発展した。

問(1)Xの本拠地について、移動前と移動後の地点を地図中の記号から選び、ア→イのように記せ。

問(2)Yは、16世紀前半に前王朝をこの地の戦いで撃破し、自己の王朝を創始した。その戦いの地の位置を地図中の記号で示せ。

問(3)Zが崩壊した後に、Zの支配民族は共和国をつくった。Zの首都の位置と新たな共和国の首都の位置を、地図上の記号でア→イのように記せ。﷯

(B)各王朝は、被支配者の信仰や宗教や慣習について、時には融和策で、時には弾圧策で臨んだ。

問(4)Xは、反抗する思想の統制と並行して、大叢書を編集した。その叢書の名前を記せ。

問(5)Yは、16~17世紀の間に宗教政策を大きく変えた。その変化を、関係する二人の皇帝の名を用い、3行以内で説明せよ。

(6)Zには、異教徒処遇の制度があった。その通称を記し、特徴を、2行以内で説明せよ。

 

(C)3王朝には、それぞれ少数民族が広大な領域を支配するという共通性があった。

(7)Xは、自己の軍事組織を支配地域に拡大した。それら軍事組織の構成員に対して与えられた土地の名称を記せ。

(8)YとZには、それぞれジャーギール制、ティマール制と呼ばれる類似の制度がみられた。両者の共通の特徴を2行以内で記せ。

 

(D)各王朝には、支配に反抗する動きが見られた。

(9)Xの統治の初期に、大きな反乱が生じた。この反乱の名称の由来となった地域を、すべて地図中の記号から選んで記せ。

(10)Yの統治に対して、17世紀後半に強く抵抗した王国があった。その本拠地の位置を、地図中の記号で示せ。

(11)Zの支配下では、18世紀に宗教的復古主義を唱える宗派が王国建設運動をおこした。その運動の中心地を、地図中の記号で示せ。

(12)これらの動きの対象となった3つの王朝名を、それぞれにX、Y、Zの記号を付して記せ。

 

問(2)

宗教改革についてはその様相が各地で一様ではなかったことが大切です。

また、今回の(b)は一橋でかつてテーマになりましたが、近年の東大は一橋の過去問に似た出題することが非常に多くなっています。教授の移籍か、あるいはネタ切れか。一橋の過去問もなんとなく知っておくことはかなり大切になってきています。

 

一橋大学 2004年第1問

 宗教改革は、ルターにより神学上の議論として始められたが、その影響は広範囲に及び、近代ヨーロッパ世界の形成に大きな役割を果たした。ドイツとイギリスそれぞれにおける宗教改革の経緯を比較し、その政治的帰結について述べなさい。その際、下記の語句を必ず使用し、その語句に下線を引きなさい。(400字以内)
  アウグスブルクの和議 首長法

 

問(3)

ウクライナ戦争を受けて、ロシアの動向を出題してくる可能性は大いにあり得るでしょう。あわせて、ウクライナポーランド分割などの東欧史が大切です。さらには東方植民についてもポイントを押さえておきましょう。

 

第3問

トータルの解く時間として、この第3問には3分くらいしかかけてはいけません。そして許されるのは1問ミスまで。共通テストも近くなっていますので、このレベルの知識は完璧にしておきましょう。特に中国史の「漢字」です。漢字ミスで得点を失うことがないように、共通テストの勉強の中でも覚えているか怪しいものがあれば、漢字の練習をするようにしてください。

 

来年の東大では何が出るのか?

ここまで、東大オープンを題材として、問題の解き方や、勉強方法についてポイントを整理してきました。しかし、自分でこの作業ができないといけないわけです。特に大論述の解き方は、正しい技術を習得しておく必要があります。そこで、我々の論述の技術を覚えてもらいましょう。それを学ぶのに不可欠な参考書が『分かる!できる! 世界史の論述が書けるようになる本 ~講義編~』です。この本では、論述を書くための頭の使い方、問題文の読み方、効果的な勉強法、汎用性の高いおすすめの過去問を丁寧に教えていきます。

 

さらに、論述の技術があっても、確固たる知識がないと書けないのが論述です。それを担保するには、「傾向」を予測して、重点的に学習することも1つの良い手段でしょう。ぜひ以下のトレンド予想会に参加してみてください。

他にも東大世界史をテーマ別に学びたい方はこちらをクリック!

 

申し込みはこちらのリンクから→https://mosh.jp/services/141197

 

   

 

「学ぶ力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大独学 [ 西岡 壱誠 ]

価格:1650円
(2023/11/12 23:55時点)
感想(0件)

「一橋世界史入門セミナー」のご案内

皆さん、こんにちは!

一橋大学の入試対策セミナーをご案内します。

今月20日(火)の夕方16:30から「一橋世界史入門セミナー」をオンラインで開催いたします。ぜひ、この素晴らしい機会をお見逃しなく!

 

今回のセミナーでは、一橋世界史のスペシャリストである講師が一橋世界史の傾向と対策について解説します。一般的な参考書や赤本ではわからない、これまでにない視点から、一橋世界史を深く理解しましょう。

 

セミナーでは、一橋世界史の基本的な知識から始め、重要な論点、論述の書き方についても掘り下げていきます。セミナー後には、世界史への理解がより深まり、一橋大学の入試に対する自信が高まるはずです!オンラインで開催されますので、忙しい勉強時間の合間に参加することができます。

 

無料のサイトやYouTube動画が出回る中で500円をいただくということは、それだけ特別な付加価値をつけてお話しするということです!

興味をお持ちの方は、ぜひ以下のフォームからお申し込みください!

皆さまのご参加をお待ちしております。

 

【応募フォーム】一橋世界史入門セミナー

 

↑ 本セミナーのチラシです!



 

 

パッと簡潔にoverview!【一橋世界史 2023】

2023年の一橋世界史の講評を行いましょう。著作権の関係から問題文全体の掲載はやめておきます。

 

第1問

百年戦争を出題してきました。一橋世界史を隈なく勉強してきた受験生としては、第2問のことも考えると絶対に落とせない大問になりました。ただしイギリスとフランスの戦争とは言い切れないと問題文が言っていますので、そのような趣旨で作文しなければなりません。しかしそれもたいして難しいことではありません。つまりこれはフランスの内戦という側面があるのです。それは教科書に直接書いてあるわけではありませんが、史料集で戦争の流れを読めば簡単に分かることです。

本会は1月にイギリスに関係のある出題の可能性を指摘してました。

 

nyushisekaishi.hatenablog.com

 

後半の「フランスへの影響」については、本会の参考書で幾度となく取り上げた「14世紀の危機」の一環として百年戦争を取り扱っています。つまりは危機を乗り越えた先に新時代が待っているという意味で、近世フランスの絶対王政を準備したのがこの百年戦争でした。コロナ禍とウクライナ戦争、これはペストと百年戦争に直面した当時と似た時代背景であるようにも感じられます。そのような意図で出題された可能性も大いにあると考えられるでしょう。

14世紀の危機をはじめ、本会の論述参考書は今年も多くの問題のヒントとなる情報をたくさん紹介していました。ぜひお買い求めください。

さらに、実はこれの類題を今年の共通テストの発展問題として、当ブログ上で公開していました。本会の受験世界史指導は、様々な知識や情報に裏打ちされたものです。

 

nyushisekaishi.hatenablog.com

 

 

第2問

1963年、今からちょうど60年前、OAUは誕生しました。その記念の問題です。今年は出題されてすぐに、この問題がSNSで話題になっていました。確かに近現代欧米史を勉強してきたはずの受験生たちにとっては、唐突に出題範囲が変わり、驚きだったかもしれません。しかしかつてはASEANも出題していますし、戦後のアジア・アフリカも決して無視してよい範囲でありませんでした。「○○の記念問題」は、東大や一橋の大好きな出題ですから、2023年は何の記念の年なのかを準備していても良かったかなと思います。ですから、決して悪問でも驚くべき問題でもありませんでした。

 

第3問

これも100周年記念問題でした。孫文=ヨッフェ共同宣言です。

孫文の問題も、今年のセットでは落とせない問題でした。第1問、第3問を落とすとかなり厳しかったのではないでしょうか。

近年の一橋は傾向が揺らぎつつも、やはり「一橋世界史」です。大きな傾向や癖は変わりません。専用の対策を必要とする一方で、しっかりと対策すればノープランの人に圧勝できるチャンスでもあります。

宣伝

来年、一橋大学を受験する新高3生、および浪人予定のみなさんへ。

世界史は過去問や演習問題を解いて添削を受けることで、大きく力を伸ばすことができます。直前期のみの対策では十分な力をつけることができません。1年前から着々と準備しておく必要があるのです。

本会は、非常に癖の強い「一橋世界史」に精通した講師による、一橋世界史のためだけの個別指導を行っています。添削指導をメインとするので、通塾の時間的制約もありません。ぜひお試しください。特に地方にお住いの方は必見です!

講座の内容を確認したい方は、こちらから!!

パッと簡潔にoverview!【京大世界史 2023】

2023年の京大世界史の講評を行いましょう。著作権の関係から問題文全体の掲載はやめておきます。

 

第1問

モンゴルについての出題でした。必要となる知識は教科書レベルであったものの、学習が手薄になりがちな地域からの出題であったため、字数を埋めるのに苦労した受験生もいたかもしれません。ただ、京大としても好きな範囲ではあったので、しっかりと準備していた受験生はある程度は得点できたのではないかと思われます。「遊牧国家」としての性質を解答に反映したか否かは、京大の採点ポイントになったはずです。また、モンゴル帝国はまだ時代を迎えていませんので記述できません。

 

第2問

A

時代こそ違いましたが、直前の予想問題で出題したように、東南アジア史が出題されました。東南アジアは最近、西日本の大学で人気なようです。来年以降も常に引き続き警戒しておくべきでしょう。現代のニュースで取り扱うような用語や、地理で出題されそうな用語も出題されました。現代史になればなるほど、世界史としての出題から一般教養的な出題に変わります。先ほど述べたこととは矛盾しているように見えますが、それが京大の方針なのでしょう。

B

米中関係史ではありましたが、よく見る範囲からの出題でした。特に(20)に関しては、予想問題のAで出題しており、的中した格好になりました。近現代の中国史は入試世界史においても極めて頻出ですので、ここで高得点をしなければならないでしょう。

米中関係については、近年の注目のトピックの1つでしたから、京大としても意識して出題しているはずです。東大も京大も一橋も、現代で起こっている出来事の起源を世界史に求めるかのように出題してきますので、常にアンテナをはっておくことが世界史で高得点をとるコツになります。

 

第3問

「分かる!できる!世界史の論述が書けるようになる本 ~実践編~」(旧:「目から鱗の世界史 -実践編-」)の演習問題の類題が出されました。

Amazonやメルカリで販売していますので、リンクから購入してみてください。京大の問題をばっちり当てただけでなく、精錬された演習問題と、たしかな技法により論述問題での高得点を目指せる参考書です。

Amazonこちらから。メルカリはこちらから。

出題的には京大らしくはなかったかもしれませんが、ヨーロッパ史を丁寧に学習していればそれほど難しくはなかったのではないでしょうか?

 

第4問

A

ウクライナ戦争を受け、ロシアを主題として取り扱う冷戦史でした。今年はアメリカ、中国、ロシアと大国ばかりをテーマにしてきましたが、すべて近年の国際情勢を反映しているように思われます。逆にここまでわかりやすく出題してくる相手には、受験生側としても対応しやすいように思います。

B

予想問題と似たような出題でした。予想問題を解きしっかりと復習しておけば、ある程度は解けたでしょう。やや取りにくい問題もあったかもしれませんが。

AとBのどちらにも言えることですが、当たり前の用語を当たり前に答えられることを最低条件としているようです。その上で論述の差を見てきます。そもそも小問を答えられない人は、レースのスタートラインに乗れていないと思って下さい。

 

宣伝

来年、京大を受験する新高3生、および浪人予定のみなさんへ。

世界史は過去問や演習問題を解いて添削を受けることで、大きく力を伸ばすことができます。直前期のみの対策では十分な力をつけることができません。1年前から着々と準備しておく必要があるのです。

本会は、京大世界史に精通した講師による、個別指導を行っています。添削指導をメインとするので、通塾の時間的制約もありません。ぜひお試しください。

講座の内容を確認したい方は、こちらから!

 

その他、有力な情報を仕入れたい方は、以下のページから公式LINEを追加してみて下さい!